双子や二人目以降の子育てでは、同時に子どもの対応をしなければならない場合があります。上手く対応できないと、焦りや余裕のなさから大きな声を出してしまい、後悔することも少なくありません。
ワンオペや同時育児をがんばるママ、パパにとっては、どちらの子にも全力で向き合いたい気持ちの証です。
「手が足りない」授乳の場面で注目されているのが赤ちゃんのセルフミルクです。セルフミルクは正しい方法で行えば大変助かる方法ですが、窒息や中耳炎などのリスクもあります。

この記事では助産師経験のある私が、セルフミルクを安全に行う方法と注意点を解説します。
セルフミルクは、育児で手が回らないときに赤ちゃんの姿勢と哺乳瓶の角度を調整して赤ちゃんが自分でミルクを飲む方法です。
窒息や中耳炎のリスクがあるため大人の見守りが必要です。セルフミルクの注意点やリスクを理解した上で上手に活用していきましょう。
目次
セルフミルクは赤ちゃんが寝た姿勢でミルクを飲む方法

セルフミルクはタオルや哺乳瓶ホルダーなどを使い、赤ちゃんが哺乳瓶を自分でくわえてミルクを飲む方法です。以下のような場面で一時的に役立ちます。
セルフミルクは授乳の時間と他のことが重なってしまったときに気持ちに余裕を持って向き合える方法です。
セルフミルクのリスクと注意点

セルフミルクは手が離れて助かる一方で注意点もあります。安全にセルフミルクを行うためには注意点を理解したうえで行うことが大切です。
窒息の危険性
哺乳瓶の角度が合わずにミルクが一気に流れると、赤ちゃんがむせて窒息するリスクがあります。必ず大人が見守りのもと行いましょう。
むせたり、ミルクを吐き出したりしたときの対応は以下の通りです。
- 哺乳瓶を口から外す
- 赤ちゃんを縦抱きにする
- 優しく背中をさする
こうすることで気道が開き、徐々に呼吸が落ち着いてきます。

抱っこした授乳も、セルフミルクも、むせたときの対応は基本的に同じです。
セルフミルク中も赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
寝たままの授乳による中耳炎のリスク
寝たままの状態で赤ちゃんがミルクを飲むと中耳炎を引き起こす可能性があります。
赤ちゃんの耳の構造はまだ未発達なため、寝たままの姿勢だとミルクが耳の方へ流れ込みやすいと言われているためです。
たとえば授乳クッションやタオルを背中に軽く当てて上体を少しだけ起こすと、ミルクが自然に喉へ流れやすくなり、飲み込みやすい姿勢を保てます。
セルフミルクは、赤ちゃんの上体を少し起こした姿勢で行いましょう。
セルフミルクを安全に行う2ステップ
セルフミルクは、赤ちゃんの近くで大人が見守りのもと行うことが大前提です。見守りながら、赤ちゃんの姿勢や哺乳瓶の位置を工夫し、飲みやすい環境を作ります。
ステップ1 上体を少し起こした姿勢にする

セルフミルクは抱っこした姿勢と同じ45度程度に上体を起こした姿勢で行う方法が基本です。
赤ちゃんをバウンサーに寝かせて、角度をつけると安定します。授乳クッションにバスタオルをかけて寝かせてあげる形も、自然に角度がつきやすくなります。
あごが胸につきすぎると飲み込みにくく誤嚥につながる可能性があるため反り返らない程度に、自然にあごを起こしてあげましょう。
ステップ2 哺乳瓶の角度を整える

哺乳瓶は乳首全体がミルクで満たされる角度が適切です。角度が浅いと空気を飲み込みやすく、吐き戻しの原因になります。
哺乳瓶の角度と高さは哺乳瓶の下にバスタオルやタオルを使って調整します。乳首と赤ちゃんの口がしっかり密着できるように工夫しましょう。

私のときはセルフミルクの補助グッズはありませんでしたが、最近はたくさんの補助具が出ています。
セルフミルクの補助具は、固定のしやすさや素材など選ぶ際のポイントです。ぜひ、お子さんに合うものを探してみてください。
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CocoPon(ココポン)哺乳瓶ホルダー
赤ちゃんの体調が悪いときはセルフミルクは控える

赤ちゃんが風邪っぽいときや体調が悪いときはセルフミルクは控えましょう。
鼻づまりが目立つときにセルフミルクで長時間口と哺乳瓶が塞がると赤ちゃんの呼吸を妨げてしまう場合があります。むせ込みが目立つときも窒息につながるためセルフミルクは危険です。
生後1か月未満では、哺乳がまだ安定せずむせ込みや吐き戻しが出やすい時期です。セルフミルクは、1ヶ月健診以降に行いましょう。
セルフミルクを控えるケース
セルフミルクを控えるケースは以下のとおりです。
体調が万全ではないときは抱っこして行う授乳でも、時折乳首を外して飲み込みと呼吸を確認しながら行うと赤ちゃんの負担が少なくなります。
CocoPon(ココポン)哺乳瓶ホルダー

CocoPon(ココポン)哺乳瓶ホルダーは日本のブランドです。赤ちゃんと哺乳瓶が固定できるため安定した授乳を助けます。持ち手があり、赤ちゃんのつかみたいという欲求を満たし安心につながります。
メッシュタイプもあり、洗濯もできるため汗蒸れが気になる夏も衛生的です。哺乳瓶が固定し、赤ちゃんもスムーズにミルクを飲むことができます。
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タオルやクッションでも十分セルフミルクはできます!ただし、赤ちゃんが首を動かすと外れやすいのでその場合は補助具の方が安定します。
授乳の手が足りない!セルフミルクを安全に活用して余裕を持って子育てしよう

授乳の基本は抱っこで行うことが第一選択です。子育て中は、どうしても手が足りずセルフミルクが必要になるときがあります。
セルフミルクは、赤ちゃんの上体を少し起こし、哺乳瓶と口が密着する角度に調整します。窒息や中耳炎のリスクがあるため、大人が必ずそばで見守ることが必要です。

子育て中に赤ちゃんと上の子が同時に泣いて、絶望的な気持ちを味わった経験は私にもありました。セルフミルクの安全なやり方を知っていると落ち着いて対応できます。
赤ちゃんの安全を最優先に、いろいろな工夫をしながら授乳時間を大切にしていきましょう。

